日本の北東に位置する知床半島は2005年にユネスコの世界遺産に認定されており、手つかずの美しい自然が多く残されている国立公園があります。
冬の流氷の恩恵を受ける知床の生態系は、ヒグマ、シカ、フクロウ、キツネなどの野生動物が一年中生き延びるのに必要な環境を生み出しています。知床の生態系のピラミッドは一番下に植物プランクトン、上の端にはクマやキツネがいて、正常な食物連鎖の例です。
知床半島の約4分の3は道路設備がありますが、島の先端の方に行く道路はなく、ボートで行くか何日間か掛けてハイキングするしかありません。
2020年8月、私たちは知床半島に2週間ほど滞在しました。実はたった数日の滞在予定だったのですが、あまりにも良い所だったので何度も滞在を延長してしまいました!今回のブログ記事では、知床半島で過ごした中でも選りすぐりの体験談を紹介したいと思います。
知床は東京や札幌などの大都市から離れているので、街の光で星が見えづらくなる事はほとんどありません。晴れた夜、運が良ければ満天の星空を楽しむには最適の場所です。
私たちは日本のあちこちで星の観察をしましたが、知床で見た星空は間違いなく今まで見た中で1番でした。星がとても明るく、普段見えないような星まで見えるので、ある夜の星空を観察していると、10分以内に5つの流れ星を見たこともありました!
夜、外に出るのは、近くに熊がいる可能性があるので少し怖いかもしれません。でも、機会があれば勇気を出して、十分に注意しながら、5分だけでも最高の星空を眺めてみてください!
知床の特別さを感じるには、ウトロにある無料の自然観察センターの見学が欠かせません。自然センターでは、知床の生態系についてのカラフルな展示品があり、日本語と英語で説明が添えられています。
魚や動物といった種類に分けられており、それぞれの展示場所で、どうやってこの大きな生態系が繋がり、保たれているのか詳しく説明されています。
正直私たちは、自然観察センターに行くまで、生態系についてはあまり知りませんでした。ですが今回の約1時間の見学で、野生動物や自然の大切さを理解することができ、知床をより深く楽しむことができました。
知床半島はサケ釣りがとても有名です。8月の中旬頃からシーズンが始まり、美味しいサケを求めて知床に釣り人が集まります。
ウトロ港はサケ釣りの人気スポットで、夕暮れ時には毎日100人以上の人達がサケ釣りをしていました。サケ釣りはとても難しいのかと思っていましたが、私たちでも何匹か簡単に釣れました!
もし釣具を持っていなかったら、どこのホームセンターでも安い釣竿やエサを購入することができます。
羅臼岳のハイキングは誰にでも気軽に登れるかと言ったらそうでは無いかもしれません。ある程度の体力が必要だったのでしたが、このハイキングは知床に滞在した2週間の中で、最も良い経験になりました。
知床は日本一熊が多く生息している場所として知られています。そのため、知床でのハイキングを計画するときは、熊対策が必要不可欠になります。ハイキングの時には、二人ともバッグに熊鈴を付けたり、熊除けスプレーを持ち歩いたりしていました。私たちは日の出からハイキングを始め、登頂から下山まで7時間ほどかかりました。
羅臼岳の頂上付近には食料品ロッカー付きの無料の無人キャンプ場があるので、ハイキングを2日間に分割したいときは、そこでキャンプしてみてください。
私たちが羅臼岳のハイキングを愛してやまない一番の理由。それは、頂上から知床半島全体と、近くの島々が織りなす信じられないほどの絶景が見渡せることです。半島には道路がさほど多くないので、山を登ったり、高台のような場所から見ないと、半島の大きさを感じたり、広大で手付かずの自然を堪能することは難しいかもしれません。
半島には、他にも長い日数を掛けてするハイキングコースがいくつかあります。さらに、知床にあるいくつかの山頂を一回のハイキングで制覇するようなコースもあります。旅の道中、知床で7日間ハイキングをした男性と出会いました。彼はハイキング中、熊に遭遇してしまったそうなのですが、幸運なことに何も問題はなかったそうです。
羅臼岳のハイキングについての動画も作ったので是非観てみてください!
私たちが日本を旅する中で、無料の露天風呂に行くことは最高の楽しみの一つです。知床半島には、4つの無料露天風呂があり、どれも自然に囲まれていて、温泉の温度も私たちにとっては最高でした。
熊の湯温泉 – 羅臼町の近くにあり、羅臼キャンプ場から徒歩で歩いて行ける距離です。地元の人に人気のある温泉なので、私たちが訪れる度にすごく賑わっていました。ここにはシャワーがないので、温泉に入る前に桶で温泉のお湯をすくい、体を洗います。男女それぞれ別の温泉になっています。
相泊温泉 – 羅臼町の北側の方で、海の岩場あたりにある温泉です。男女別の屋根付き温泉があります。海と近くの島々が作り出す絶景を眺めながら、ゆったりと温泉に浸かることができます。お湯の温度はとても高かったのですが、冷水を入れられる蛇口があります。ここにもシャワーはありませんが、入る前に温泉のお湯で体を洗えます。
瀬石温泉 – 羅臼の北側で、相泊温泉の近くにある無料温泉です。こちらも海の近くの岩場にあります。小さく男女混合で、道路から隠されておらず車で通り過ぎる人から見えてしまうので注意してください。
三段の湯 – 美しい自然に囲まれており、3つの温泉の中からどれに入るか選ぶことが出来ます。ここが私たちの知床で一番好きな温泉でした。それぞれの湯舟によって温度が違って、羅臼岳登山口の近くにあるので、ハイキングの後、自分の好きな温度の温泉でリラックスできて最高でした。
私たちは、何とか計画通りウトロの雄飛台展望台で綺麗な夕日を見ることができました。晴れた日なら、ウトロのキャンプ場近くにあるこのスポットは、夕日を見に来るのにもってこいの場所です。
先ほども紹介しましたが、知床半島は自然豊かな生態系を保っているので野生動物がたくさんいます。半島を旅していると、アカギツネや鹿、色々な鳥などに遭遇することも珍しくありません。
羅臼町やウトロ町からは、運が良ければクマやイルカ、クジラなどが見られるボートツアーも運行しています。
私たちは車を運転中、道路を横切っている3匹のクマに遭遇しました。その様子をぜひ下の動画でチェックしてみてください!
ここは半島の西側、砂利道の先にある温泉の滝になります。硫黄濃度の高い源泉が流れていて、ゆっくり温泉に入れるスポットがたくさんあるので、長旅の価値は十分にあります。
温泉の滝の入口付近では、サンダルを履くよりも裸足の方が歩きやすかったです。お湯は普通の温泉より大分ぬるめですが、数分でも入浴してみるとすごく気持ちいいです。
羅臼町とウトロ町の間にある知床峠は、標高738mの道路です。ここから見られる半島と羅臼岳の景色は最高に綺麗です。日本の峠の中で最も開通シーズンが短く、雪解けは7月までかかります。
車やバイクが好きな人たちからも人気のある道です。峠の頂上には絶景スポットがあり、立ち止まって絶景の写真を撮ることができます。トイレもあるので安心です。
知床五湖は知床の中でも特に人気のスポットで、普段は観光客で賑わっていますが、それでも訪れる価値はあると思います。
知床半島の西側には、山々を背景にした美しい5つの湖があります。1.6km(往復)の無料の高架木道があり、年間を通して湖の一つにアクセスできます。夏季には地上遊歩道(一周3kmまたは1.6km)があり、そこから5つの湖すべてにアクセスできます。
地上遊歩道の料金は訪れる季節によって異なり、3kmコースに行く人は全員が熊との遭遇についてのレクチャーを受けることが義務付けられています。6月と7月の熊のピークシーズンには、経験豊富な監視員が1つのグループにつき一人、同行してハイキングを行います。
知床半島は海に囲まれていて、美味しい食材がよりどりみどり。いくつか地元の名物料理を試してみたので、ご紹介します。
羅臼昆布:羅臼の道の駅で購入し、うどんの上に乗せて食べてみました。本当に美味しかったのでおすすめです。
羅臼そば:羅臼の道の駅で購入したインスタントそばに、昆布のつけ汁がついてきました。そのつけ汁がとっても美味しかったです!
黒ハモ丼:羅臼の道の駅レストランで食べた名物料理です。黒ハモの蒲焼きがご飯の上に乗っていて、上から美味しいタレがかかっています。北海道で食べた料理の中でもトップクラスの美味しさだったので、機会があったらぜひチャレンジしてみてください!
全体を通して、知床半島での旅には二人とも大満足でした。今回は2週間ほどいたので、ほとんどの道と観光スポットを制覇できたと思います!
私たちの体験を共有することで、旅行計画の助けになったり、より知床の魅力を満喫できることを願っています。
日本にある他の地域とは本当に別世界で、人生で一度は訪れることをお勧めします。