バンライフの歴史は何年も前にさかのぼりますが、ソーシャルメディアのおかげもあって、ここ5年ほどでバンライフの人気が高まっています。
最近では普通の住宅で暮らす時に身近にある現代的なガジェットやアメニティのほとんどを装備したバンが普及しています。ですから毎日旅をして違う景色の中で目を覚ます、そんな暮らしを快適に過ごすことも今ではとても簡単になりました。
私たちは世界中のいくつかの国でバンライフを体験してきました。でも世界一バンライフをしてて最高な国はどこかと言ったら間違いなく日本です。
日本でのバンライフが好きな理由で最初にあげたいのが、全国各地にトイレがたくさんあり、相当の僻地にもトイレが備え付けられていることです。例えばアイルランドでのバンライフを思い出して見ます。アイルランドの地方自治体の中には、トイレの破損や破壊行為を防ぐために夜間はトイレに鍵をかけているところがありました。バンライフを過ごす人にとっては悪夢です。もし、バンの中にトイレがなくて、夜間にトイレを使いたくなったらとても大変です。一方、日本のトイレは年中無休ですし、夜になると鍵がかかっているトイレは見たことがありません。トイレはコンビニエンスストアや道の駅にもありますし、道端の路駐でも見かけることがあります。もう一つ諸外国と比べるとびっくりしまうご褒美が、日本のほとんどのトイレがピカピカで清潔でトイレットペーパーやハンドソープがいつでも十分にストックされているところです。
バンライフをしていると「バンに住みながらどうやってシャワーを浴びるの?」とよく質問されます。ヨーロッパでのバンライフでは携帯用のソーラーシャワーを使ったり、キャンプ場やガソリンスタンドでお金を払ってシャワーを利用したりします。ところが日本でのバンライフの他の国には無いお楽しみの一つが、日本全国に豊富にある手頃な価格の温泉です。もちろん、絶景の温泉地や特別な源泉の温泉などでは入浴料が高いところもあります。でも400円から600円で利用できる安上がりの温泉や銭湯もたくさんあります。他の人と一緒に入浴するのが嫌でなければ、温泉でゆったりと時間をつぶすのもいいでしょうし、死ぬまでに絶対に入っておきたい温泉の「バケットリスト」を作るのもいいかもしれません。
高速道路や幹線道路の脇にあることが多いのですが、日本全国で数多くの道の駅を見かけます。日本の道の駅はとてもきれいで、全国各地個性豊かなデザインの道の駅がたくさんあります。道の駅には必ず売店があり、地元農家の農産物や日本酒やお菓子などの特産品が売られています。そしてほとんどの道の駅には観光案内所やお土産屋さんも併設されています。温泉や博物館、レストラン、コンビニ、遊び場、キャンプ場などが併設されているのを見かけることもあります。どんなときでも清潔なトイレや自動販売機が待っているので、夜の駐車場を探しているバンライフで全国を回る人たちにとても人気があります。私たちは日本を旅している間に、沢山の道の駅の駐車場で宿泊したことがありますが、他のバンを見かけることも珍しくありません。日本の道の駅に泊まるのに何も問題はないようですが、駐車場のスペースを占有しないように、夕暮れ時に到着して朝には出発するのがベストです。日本の道の駅を他国の道の駅と比べると道の駅の施設の充実度が全然違います。例えばイギリスの道の駅では、通常2時間から3時間しか駐車できませんし、どこにいっても売店はマクドナルドやKFCのチェーン店だけだったりします。
日本でバンライフを過ごす時に素晴らしいこと、もう一つは無料のキャンプ場が利用できるところです。もちろん有料の個人経営のキャンプ場もあります。でも各地方自治体などが所有し管理している無料のキャンプ場もたくさんあります。googleマップを検索したり、他の人が投稿したキャンプ場のレビューをgoogleでチェックすれば、無料のキャンプ場が見つかります。無料キャンプ場の多くは景色が素晴らしく設備も完備されています。ただし、ごくまれに電話で事前に予約をしなければならないキャンプ場もあるので、その点だけは注意してください。
近年、世界的にバンライフが人気になっています。ですから、例えばスコットランド地元の眺めが良いスポットには毎晩30台ものバンが駐車していることがあります。そのような眺めが良い場所に暮らす地元の人たち、特に景観が素晴らしい家に高いお金を払って住んでいる人の中には、たくさんのバンのせいで眺めが悪くなったということからバンライフを不快に感じている人もいます。さらにバンで旅する人々の中にはごく小数ですが、不親切だったり、ゴミを置きっぱなしにしたり、住人を悩ます騒音をだすような人もいます。こんな事情でバンで旅する人たちを敵視している人もいるので、時には歓迎されていないと感じることもあります。
でも日本ではそんな敵意を感じたことはありませんし、出会った人々のほとんどがとてもフレンドリーに歓迎してくれます。日本ではまだ海外の国ほどバンライフが普及していないので、沢山の日本の人がはバンの車内を見て興味を持ち、たくさんの質問をしてきます。日本でこれまでに宿泊した場所はどこでも快適で安全だと感じていましたが、残念ながら他の国ではそうもいかないこともあります。
日本でのバンライフでもう一つ素晴らしいのが食べ物です。日本食は世界的に有名です。でもそれだけではなく、淡路島の玉ねぎから北海道のチョコチップスまで、日本の各地方特産の料理や食材もとても有名です。もちろんどんな国でも各地域の名物料理はあります。でも日本ではそれがとてもメジャーで、日本国内を旅することの楽しみの一つにもなっています。それと日本のレストランや外食はイギリスなどに比べると値段がとてもリーズナブルで、食材をたくさん買って車内で料理するより外食の方が安く済むこともあります(もちろん食器洗いの手間も省けます!)。
日本は島国ですがインフラが発達していて、ほとんどの場所に車でアクセスできます。島々を結ぶ素晴らしい橋や定期的なフェリーがあるので、車での移動もとても簡単です。日本の高速道路料金は高額なので僕達は良くgoogleマップでルート作りをするときにはなるべく有料道路を避けるようにしています。